Sixth sense

私と目に見えない世界との出会いをちょっとだけお話ししたいと思います。物心ついた時から毎朝、祖母と母と一緒に仏壇で祖父のために般若心経をあげるのが私の日課でした。

私の祖父は当時としてはとても背が高く、彫りの深い顔立ちで私にとって憧れの人でした。若くして亡くなった祖父の遺影は本当にかっこよくて私は「将来結婚するならおじいちゃんみたいな人!」ってずっと思っていた程です。

そんなイケメンのおじいちゃんがこちらを見ているのですから、仏壇は怖い場所ではなく、行くのが楽しみな場所でもありました。
悲しいことも楽しいことも毎日報告しに行く場所でした。

ある夜、夢の中で祖父が「寂しい寂しい誰か会いにきてほしい。」と切実に話しかけてきました。
翌朝、家族にその話をして、みんなで久しく行っていなかったお墓参りに行ったことがありました。
それ以後、祖父は定期的に私の夢に現れるようになり、ちょっとした警告や温かい言葉を伝えてくれるようになりました。
私がどこかへ出かける時も気をつけることを教えてくれたり、危険から守ってくれることもありましたし、進路に迷っている時もアドバイスをくれたのでした。実際に側にいて守ってくれている感覚もよく感じました。

そして、二十歳を過ぎたばかりの頃に見た夢で、祖父と私は魑魅魍魎が飛び回るとても怖いあの世とこの世の境目のような場所を手を繋いで歩いていました。
祖父は言いました「ミキ、今までずっと守ってきたけれどおじいちゃんが守ってあげられるのはここまでなんだよ。ここから先はおばあちゃんに守ってもらって生きていきなさい。あの門の先は『この世』で、そこには生きているおばあちゃんが待ってるから。おばあちゃんと手を繋いだら振り向かないで歩いて行きなさい。ずっと愛してるから大丈夫だよ」と。

門のところまで来ると、祖母が待っていて私は祖母と手を繋いで言われた通りに振り向かずに歩いて帰ってきました。
それ以来もう祖父が夢に出てくることは無くなりました。

その話を後になって叔母にしたことがあります。
叔母は曼荼羅やお寺の襖絵を描く画家で、何日も食べずに絵を描き続けていたかと思うと、駆け落ちして居なくなっていたり、また不意に帰ってきては私を旅行に連れて行ってくれたりする破天荒でかっこいい人でしたが、祖母の介護をし終わった後出家して、今は駆け込み寺で人々のお世話をしたり、頼まれると成仏して居ない方の魂を上にお送りすることをしている人です。
叔母はその話を聞いて「あーそうだったんだね。実は若くして亡くなったお父さんは未練が多過ぎてなかなか上がれなかったんだよ。私は何年もお父さんに成仏してもらうために色々してきて、ちょうどその頃お父さん上に帰ったの。でもそうやってミキにお別れいいにきてくれてたんだね。あの場所怖かったでしょ。」と。

後になって、私は、もう一度だけ夢の中で祖父に会いました。
それは祖母が亡くなった夜でした。夢の中で私は祖父の手をとって「おじいちゃんおじいちゃん、何十年も待っていたおばあちゃんがやっとおじいちゃんの所へ行ったよ!よかったね!会いたかったんでしょ!」と言うと祖父はただにこにこしているだけでしたが、祖母が私を睨んで「人が死んだことをよかったね!って言わない!」と言いました。笑
これは単に私の思いが映像になっただけのような気がしますが、目が覚めて、優しい祖父と厳しい祖母のキャラクターがよく現れていて一人で笑ってしまいました。

その後は、祖父の声は私の第六感を知らせる時にだけ頭の中に響いています。いつぞや急いで行かねばならない場所があって車を飛ばしている時に「一号から!一号から!」と祖父の声でお知らせがありました。「えー(国道)一号から行ったら間に合わないんだよー高速乗るよ!」と高速に乗ったら、すぐ目の前で事故が起きて長時間その場に閉じ込められて用事に間に合わなかったことがありましたが、そんな風に危険を察知したり、迷った時に選択肢を教えてくれる時に祖父の声で分かると言うことがよくあります。これは私はよく言う意味での「霊感」ではなく、誰にでも備わっている「第六感」だと思います。
そういう大切な感覚は長い年月積み重ねてきた人間の命の経験値。つまり先祖から受け継いだDNAの中にたくさんの叡智が刻まれているので、聞く耳さえ持てば誰でも受け取れるのでは無いでしょうか。

そして私はそう言う感覚の鋭い家族の中で育ったので、幼い頃から受け取りやすかったのかな?と思います。

叔母を超えるような一族のシャーマンみたいだった祖母のこともいつかお話しさせてください。

読んでくださってありがとう!
ちょっとでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。

mikiko


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